サッカーのフォーメーション考察【3-4-3の超攻撃的サッカーを考える】

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サッカーにはフォーメーションが多数あります。サッカーを知らない方は「フォーメーションって何?」と思いますが、例えば「4-4-2」というフォーメーションは、「4:ディフェンダーが4人4:ミッドフィルダーが4人2:フォワードが2人」と考えます。結局サッカーは11人vs11人、計22人が1つのボールを中心として展開されますので、パッと見は「フォーメーションなんてキックオフの時だけの形でしょ?」なんて思うかもしれません。

サッカーは多くの約束事をプレーヤー1人1人が意識しながら展開されているスポーツです。野球とは違い常に流動的に動いているので、「約束事といっても、結構自由にやっているんでしょ?」と思うかもしれませんが、それは少し合ってますが、概ね間違っています。
なぜ「少し合っている」のか、それは多くの約束事がある中で時として意外な動きをするプレーヤーが出てきて、そしてその意外な動きのおかげで得点が入ったりします。そういったプレーをして成功した場合、「意外性のあるプレーですね」といった言葉で称賛されたり、「意外性のあるプレーヤーだ」と認められれば、「ファンタジスタ」などと呼ばれることもあります。
ただやはりサッカーはチームスポーツであり、極めて組織的なスポーツであるが故に、どんなに意外性のあるプレーが成功しても、そのおかげでチームが勝ったとしても、チームプレーがなっていないとして外されるケースも多くあります。

 

自由度が高そうなスポーツに見えますが、サッカーは組織スポーツであり、チームの規律や約束事を非常に重んじます。組織を目に見えるものにしたのがフォーメーションであり、そのフォーメーションに規律や約束事を組み込みプレーする、それがサッカーです。

フォーメーション「3-4-3」とは

「4-4-2」「4-3-3」「4-2-3-1」「5-4-1」など、様々なフォーメーションの中でも私は「3-4-3」が好きでたまりません。このフォーメーションは70年代~90年代初期にオランダ代表が用いていたシステムで、今となっては古いフォーメーションかもしれません。
この「3-4-3」を敷いたオランダ代表は、あらゆる選手が動き回り、プレー中に目まぐるしくポジション変更が行われ、全員で守り、全員で攻撃するというスタイルを取っていました。俗にこれを(オランダ代表を)「トータルフットボール」と呼ばれ、当時のサッカー界に衝撃を与えたといいます。

フォーメーション3-4-3

フォーメーションだけ見ると、攻撃的選手が非常に多く、守備の選手が少なく感じます。
「これじゃすぐに点を取られてしまうのでは?」と思うでしょう。しかし先にも述べたとおり、トータルフットボールは全員攻撃、全員守備が組織的に確立されたものです。あらゆる穴を全員が流動的に埋めていくのです。
例えば、この3-4-3のフォーメーションのウィークポイントのひとつとして、「DFのナナメ後ろのスペース」があげられます。(下図茶色部分)

コーナーに大きなスペースがあるので敵に狙われやすい

よってこの茶色のコーナー部分をどうリスクケアするのかがひとつポイントとなります。
このスペースに一番近いDFがまず対処するのが定石ですが、すると今度はそのDFがいた場所にスペースが生まれます。そうなった場合、誰がその穴を埋めるのか?そのすぐ近くにいるもう一人のDF?それともその近くにいるMF?こういった状況を想定して「こうなった時に誰がどこの穴を埋めるか?」といったことをルール化する、それが確立してプレーヤー1人1人に浸透されてチームが組織化するのです。

誰がどこのスペースを埋めに動くか、全体が組織的に動く

3-4-3の醍醐味は攻撃にある

ここまでは規律や約束事を意識し、チーム全体が組織的に動き補完しあうといったことを守備の観点からお話ししましたが、サッカーは守備ばかりしていても楽しくありませんし勝てません。
カルチョの国イタリアでは、1-0の試合に美徳を感じるところがあり、1-0の試合を「ウノゼロ」と称するくらい素晴らしいという考えを持っています。一方、オランダサッカーは超攻撃的サッカーで、まず第一に「必ず前線にFWを3枚置く」という俗にいうスリートップの考えがあります。前線に3枚置いた場合、自ずとMFやDFに人数を割くことができなくなるわけですが、でもやっぱりオランダは攻撃なのです。
FW3人のうち、両サイドの2人はタッチラインいっぱいに広がります。
そしてサイドからガンガン攻撃を仕掛けていく、まさに3-4-3の超攻撃的サッカーの醍醐味のひとつと言えるでしょう。正直、見ている側もそのアグレッシブなサッカーに楽しさを感じずにはいられません。オランダではこの両サイド(両ウイングとも言う)を主戦場とするスーパープレーヤーを多数輩出していますが、それは当然のことなのかもしれませんね。

点を取って勝つこと

これは至ってシンプルなことかもしれませんが、これが一番難しい。
1点取ったら徹底的に失点0で勝つ、これも間違いなく勝利です。
ただオランダサッカーを見ていると、3点取られたら4点取って勝てばいい、そういうシンプルな攻撃的姿勢が伺えます。潔さまで感じてしまいます。もちろん組織的な守備ができるから良い攻撃に繋げることができるわけですが、組織的な守備は大前提な話であって、それありきで「どうやって点を取って勝つか」、もうオランダサッカーはギラギラしていて、そんなサッカーをみて魅了されない人などいるのかと思ってしまいます。

サッカーはゲームであり、ゲームはポイントを稼いで勝つ、これが至ってシンプルな考えです。
ノックアウト方式のトーナメントなどでは、勝利するための消極性が垣間見えることがあります。
それはしょうがない、絶対的にしょうがないことです、だって誰だって勝ちたいですもん。
ワールドカップ本戦になんてなれば、国を代表しているわけですし、守って逃げ切り勝ちでも全然OKですよね、観ている国民だって勝つことに意義があるんだって思って観ているわけで。
でも、それでもあのオランダの攻め勝つことをプライオリティの上位に置く姿勢は潔くて、清々しくて、あんなバチバチなサッカーをみせられたら誰だってファンになるはずです。

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